2012年4月1日「十字架の上での6時間」 イースター説教シリーズ
2012年4月1日の礼拝メッセージは2012年イースター説教シリーズとしてマルコ15:25-39から「十字架の上での6時間」と題して話されました。イエスの十字架へのはりつけは6時間の間に渡って行われました。午前の9時、12時、そして午後3時のそれぞれの時刻に起こった事柄を見ましょう。①午前9時(第3の時間)。イエスが十字架にはりつけられた場面です(25-32)。これは預言の成就でした。日本語訳では29節が本文に入っていませんが、イザ53:12の実現です。父なる神がキリストの死に直接関わっていたことが分からなければ、十字架の意義を理解することはできません。(イザ53章)。ここにある「望む」とは「この上なく楽しむ、喜ぶ」という意味です。(「満足」とはおいしい肉を食べた後、満腹するという意味です。参イザ44:16)。ここで神は血に飢えた吸血鬼のように見えますが、神が「満足する」のは、イエスの苦しみから出る結果に対してのことで、すなわち、精神的、肉体的、霊的、そして、神、自己、他者との癒しと救いの祝福に満足されるのです。②12時(第6の時間)から午後3時までの間、暗闇となりました(33)。聖書の何処にもこの暗闇を説明している聖句はありません。現代の工業技術でその頃の過ぎ越し祭りの間に日食は起こらなかったことが分かっており、暗くなった事は神による超自然的な現象であるという他に考えられません。一つの考え方に、自然界が創造主キリスト(ヘブ1:2)の死に対して反応したということが挙げられます(自然界が霊的な物事に反応する例、参ロマ8:21、22)。別の考え方では、古代から現代にまで続く太陽崇拝に対する神の反発を示し、その信仰に勝利する力を示しているということです(参エゼキ8:16)。多くの宗教が太陽崇拝に繋がりを持っています(ロマ1:21、23)。もう一つの考え方は、神が罪を象徴するイエスに背を向け、暗闇の力、サタンにイエスを明け渡されたということです。③3時(第9の時間)、イエスの十字架上での最後の叫び声(34-38)が上がりました。イエスは十字架上で7回叫び声を上げました。その最後の叫び声と共に3つの現象が3つの次元に起こりました。1.宗教、霊的な次元で、神殿の中の幕が真二つに裂けた(マコ15:38)。2.自然界の次元で、山と岩が揺り動いた(マタ27:51-53)。3.人間の次元で、墓が開かれて、後に死人が生き返った(マタ27:52、53)。イエスの十字架により、旧約聖書における儀式による礼拝の象徴が成就され、神の臨在の中へ直接通じる道が開かれました。(ヘブ10:14)。これら3つの時刻に起こった事柄を目撃したローマ兵隊が示した反応は、私たちの反応の模範となっています。「誠にこの方は神の子でした」。